美しい日本の歴史・読んだ本シリーズ57

 

曜なので、「読んだ本の紹介シリーズ」です。

私の読書は『雑食』です。

今回は、自己啓発系ではなく、「なんとなく目についたから読んだ」系です。

 

 

美しい日本の歴史
吉川英治・著

 

「読み物」なので、勉強として書き記しておくこともないのですが、

気に入った小話は私の引き出しにしまっておこうと思います。

 

本

1,蝋燭屑と下級官吏の生活

明治天皇が皇居をなかなか電燈化せず、蝋燭でお過ごしになっていた話。

直接見たり話をするような間柄にない下級官吏たちの窮状も、蝋燭屑が彼らの生活の助けになっているのを承知しており、何も言わず数年不自由をしのんでいたとの話。

何も言わず、自分とはかけ離れた生活の人々のことまで承知して彼らを守るお姿が心に残りました。

 

2,写経生のスト

写経生がインフレ時に生活に困ってストを起こした際(天平1年)の要望書が正倉院に残っている。

下級官吏で生活が苦しいとはいえ、知識人の彼らの要望がなかなかに微笑ましい。

「月5日の休暇」や、「現級の玄米を中程度にまで精白(しら)げてもらいたい」「薬用として、3日に1度、酒の支給を請う」

休みは月5日でもお酒は3日に1度という点も、『薬用として』と書いている点も微笑ましいですね。

 

3,柔順な女性

皇太子がふといたずら心で「姫、離してはいけないよ」と妻の両手に氷を握らせた。

その姫は言われるとおりに、じっと氷を握っていた。爪が紫になっても、皮膚の色が変わっても。

「柔順もいいが、あれでは哀れを通りこして、まったく、たよりないね・・・自分のした戯れまでうとましくなってしまったよ」

と皇太子が興ざめをしてしまったという話。

結局、言われたことをただただ守るだけの人は、自分の意思がないだけで相手に対して誠実というわけではないというのがわかるエピソードでした。

 

本

 

『美しい』というタイトルに合っているかは(私には)不明でしたが、昔の話を見聞きするのは楽しいものですね。

 

経営者、経営者さんと関わる者として
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・・・に留まらず、小説、学術系まで。
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