月曜なので【読んだ本シリーズ】ですが、
なんとなく、「ためになる本」というか、
研鑽をつむような本を読む気分ではなく
ゆっくり(でも軽めの)村上春樹が読みたい気分だったので。
猫を棄てる
父親について語るとき
村上春樹・著(文藝春秋)
村上春樹は学生時代から好きです。
春樹ワールド全開の独特の観点の面倒くさい言い回しが好き(けなしているわけではなく、本当に好き)。
でも、この本は本当に『なんでもない本』でした。
村上春樹独特の言い回しもなく、
オシャレな食べ物もウイスキーも音楽もなく、
まったく『村上春樹が書いた感』がない本でした。
でも、これは『村上春樹が書いたもの』なんですよね。
彼のルーツ(父親)について書いたものなので。
村上春樹にしか書けなかったものなのです。
誰がこんな本(個人的な本)を読むのだろう
とも思いますが(と言いつつ、私は2回読んだ(笑))
きっと、『他人に読ませる』ためのものではなく
彼自身にとって、これを書くことが必要な作業だったのだろうな
と思います。
人によるかもしれませんが・・・
向き合うには重い腰がなかなかあがらないうえ、
書いている最中はなかなか苦しいのですが、
活字にして身体から出すという作業によって
何かが浄化されるというか、収まりがつくという感覚は
私もなんとなくわかります。
きっとこの本はその一種なのでは。
これが通常の人であれば自宅のノートで終わるところ、
村上春樹だから出版社さんとしても商売になったというだけのことで。
『人に読まれるかもしれない(というか村上春樹なので読まれる)レベルのものを(緊張感と責任感をもって)書く』という作業であることもよかったのかも。
彼の父親は若者時代に戦争を経験しています。
戦争は人の人生も考え方も変えるから不思議。
私の場合は、戦争時代を生きたのは祖父母。
私には想像もつかない思いや経験をした彼らのこと、
私ももっとよく知っておけばよかったなと思いました。
(既に他界しているので)
経営者、経営者さんと関わる者として 真面目なビジネス系、組織論系、経営論系 ・・・に留まらず、小説、学術系まで。 『雑食読書』の鈴木が毎週1冊本をご紹介いたします。
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【水曜】