戦国 忠義と裏切りの作法・読んだ本シリーズ99

たまたま目に入って、「面白そう!」と、忙しいのも忘れて申し込んだ講演会が、

岐阜県行政書士会・岐阜支部が主催する教養講演会

大河ドラマ8作品で時代考証を努める小和田哲夫氏による

「信長・秀吉・家康に学ぶ経営戦略」

3英傑の戦略の話もさることながら、NHKの時代考証の話がとっても面白いものでした。

こんな素敵な企画をしてくれた(そして別の支部所属の行政書士も参加できるようにしてくれた)岐阜支部の担当者さんに感謝。

面白かったので、小和田氏の本を調べてその日のうちに何冊か買ってしまいました。

・・・ということで、今週の【読んだ本シリーズ】はコチラ

戦国 忠義と裏切りの作法  

小和田 哲男 (著)

「忠義と裏切りの作法」とタイトルがついているものの、中身はイラストが多く掲載されており、戦国の時代人々の生活の様子や作法、雑学を知ることができる(・・・というか、忠義と裏切りの話より雑学が面白い)本です。

本

1,金山衆を城攻めに使う

金山で金の採掘を行っていた「金山衆」は、鉱山技術をかわれて戦場に出ることもあった。

彼らは、穴を掘る技術、爆弾を仕掛けて破壊する技術、地下水を枯らせて水脈を断つ技術など、城を落とすのに使える技術をもっていた。

金山衆を使った城攻めは武田信玄の十八番ともされている。

ちなみに、有名な「信玄堤」も金山開発の技術から生まれたと言われているそう。

2,海賊を水軍として使う

水軍をもつ方法は2つ。

ひとつは、家臣たちに訓練をさせて自前の水軍をもつ方法(武田水軍)。

もうひとつは、海賊を自軍に引き入れる方法(村上水軍)。

自前の水軍は、忠誠心は高いが、訓練に莫大なコストがかかる。

海賊を使う場合は、忠誠心は低いが、潮流の変化を熟知し、操舵技術に優れている。

大名は海賊を戦いに利用し、海賊は通行料の徴収にお墨付きをもらうという関係。

3,武士以外にも多種多様なブレーンをもつ

例えば、徳川家康の場合、

僧侶や儒学者を宗教政策や内政についての、商人を経済政策の、大工頭を土木政策の、外国人航海士を外交政策の参謀としていた。

天下統一後に主君の言葉に従う側近ばかりになって、その後失策が多かったこと秀吉を見てきた家康だからこそ、多種多様なブレーンを活用したのかもしれない。

この3点から、実績をあげている人物が、「生まれや職業(当時は1番のフィルターだったはずの身分)」に拘らず、使える知識・技術があれば使っていたこと、自分の周りにおいていたことがうかがえます。

武士が甘い良い香りを漂わせていたことや、出勤しても14時には仕事が終わる超ホワイト企業だったこと等、いろいろと面白いネタが満載でした。

余談ですが・・・

金曜の小和田氏の講演会では、行政書士会の講演会ということで、「行政書士って、この時代の『ゆうひつ』では」という話がありました。

何度か出てきた「ゆうひつ」という言葉が私にはわからず(「代書屋」であるだろうとは理解したのですが)、「文字を書ける人」という意味で「有筆」かと思っていたのですが、「右筆(ゆうひつ)」でした。

この本にも出てきました。

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