一億総他責社会・読んだ本シリーズ24

今週の【読んだ本シリーズ】はコチラ。

先日も紹介した、私の好きな片田珠美先生(精神科医)の著書。

一億総他責社会
片田珠美・著(イースト新書)

帯には

なぜ他人の幸福や活躍が我慢できず、

「自分だけがつらい」

と訴えるのか。

と。

本

タイトルはもちろん『一億総活躍社会』をもじっています。

なんでも他人のせいにする他責傾向が強まった日本を

『一億総他責社会』と印象的な言葉で命名しています。

幸せのカタチ『正解』がなくなった今、

これまでの『常識』が通用しなくなりました。

日本が『一億総中流社会』と呼ばれたのは、はるか昔。

いまや平等社会に慣れきった日本人は、

これまで信じてきた『世間』が壊れた今

幻想と現実のギャップに苦しんでいます。

そんな中

自分は悪くない。

自分だけがつらいから(もしくは自分だけは特別だから)

自分だけはこれが許されるはずだ。

の多いこと。多いこと!

さて、そんな中、この本で興味をもって読んだ

2点を紹介します。

①自分だけは許される・強いものの止まらない言動

※これは昔からだと思います。

例えば、政治家が女性の身体を触る話とか・・・

「どうしてそんなことができるの?」

と驚くような言動が取り沙汰されることがあります。

通常は

「これをしたら相手は嫌な気持ちになるかな」

「これをしたら騒がれるかな。周りから何か言われるかな」

(2つめは、相手の気持ちを考えているわけではないが、何も考えないよりはまだ理解できる)

などと想像力を働かせるものです。

ところが、特権的な立場ゆえ許されてきた人は

想像力を働かせないのです。

「前はそうじゃなかったのに、変わっちゃたな」

というのもこのタイプ。

若いときは相手に想像力を働かせていたはずなのに

立場があがって自分の言うことを周りが聞いてくれるようになる

想像力を働かせるのをやめてしまうのですね。

②自分だけは許される・弱い者がさらに弱い者をたたく

加害者が『曖昧』であることや

加害者に罰を与えるのが難しいことが多いので、

いたるところで対象の【置き換え】が起こり、

第三者に対して攻撃するようになります。

怒りを向けられる相手は、自分より弱い相手。

(客が店員さんに詰め寄るのもこの一種かと)

こういった行動に出る彼らは、被害者意識が強いので

自分だけは例外を追求する権利がある

と思っていて、

自分より弱い者をたたくことにためらいがないどころか

むしろ正当化するとのこと。

原因と怒りの矛先を向ける相手がずれているのですが。

弱い者がさらに弱い者をたたく

って話は、

ブルーハーツも『TRAIN TRAIN』で歌っていたので、

前からある現象ではあるのでしょう。

・・・とは思うが、これが

「《思い》と《できること》に乖離がある思春期」ではなく、

(おそらくブルーハーツは思春期の叫びを歌に込めている)

いい大人がやっていることが現代の問題なのでは?

これまでの『世間』や『ルール』が壊れたのは

もはやどうにもできないこと(悪いことでもないと思っています)。

ただ、『その中で、個人がどう生きるか』でしょう。

・攻撃に正義の衣をかぶせることのないように。

・羨望に敵意をくっつけて相手を見ない。うらやましくても、ねたまない。

・他人を見ないで自分を見る。

この3点につきるのではないでしょうか。

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