先週は甲子園優勝・慶応義塾高校野球部の森林監督の著書、
今週は甲子園準優勝(去年は優勝)・仙台育英高校野球部の須江監督の著書です。
私は、こちら(仙台育英・須江監督)の方が≪好み≫でした。
仙台育英 日本一からの招待 幸福度の高いチームづくり
須江 航 ・著
1,学校は成果を出すための道筋を見つける場
高校野球が『人生の最高のタイミング』にならないよう、この先社会に出てからのことを考えて生徒たちと接しているところは慶應義塾の森林監督と同じです(高校の部活ですから)。
須江監督は、高校野球の目的として、「目標を達成するための思考法や、物事を本質から理解して判断する能力(知性)、自己を律して自己を確立し、問題と向き合う能力を身に着けること」としています。
「努力するのは当然」という厳しい言葉もあり、昨今の学校教育に対し、成果ではなく努力に対して評価している点に疑問を覚えている点も共感します。
2,量を重視
「いい結果を最終的に出すには「量が正義」と言えるだけの練習が必要」
という言葉がありました。
最近は「量より質」が重視される風潮がありますが(それ自体はいいことですが、質を追求する以前に終了していることも多いのでは)、須江監督は「量が質を生む」と言っています。
絶対的な量の練習を重ねていないかぎり、数字を出すことはできないと。
3,やらなくてはならないことをやる、やり切る
就任当初から大切にしている規律として、「時を守り」「場を清め」「礼を正す」が紹介されていました。
野球がどれだけうまくても、人としてやるべきことをやっていなければ、どこかで痛い目にあうと。
また、「やり切る」ことも重視しており、先輩の姿によって「これくらいでいいのか」と後輩に悪い影響が出ないようにとも書いています。
これらが「文化」だと思います。
4,小さなことの積み重ねの先に勝利がある
球の行く末を見てスピードを緩めることをせず全力疾走し続けることを徹底しているとのことです。
その理由は、「アウト」のコールが出るまでプレーは完了していないから。
そして、チームの代表として試合に出場しているから(その裏には出られない選手がいる)。
敗れたチームにも思いを馳せ、「勝者としてふさわしい姿を見せる」とも語っています。
補給体勢に入ること(バックアップ)もそうです。
それが役に立つことなど1年に数回しかないと須江監督本人も言っていますが、「一事が万事」の言葉があるように、小さなことを積み重ねていかなければ「勝利」という大きな成果は望めないという考えからです。
そもそも、全力疾走やバックアップは、自分たちの意思でできることで、相手の力量は関係のないこと。
このようなことができなければ自らのミスで崩れていくと語っています。
「誰でもできることをやり続ける」というのは、私の生活にも似通っているかもしれません。
私のこの週に1冊の本の紹介もそのひとです。
5,地域の皆さまと感動を分かち合う
須江監督の素敵なところは、チームの理念に『地域の皆さまと感動を分かち合う』とあるとおりの視野で物事を考え、実際に選手たちにも伝えているところです。
『仙台育英野球部メンバー』でも、『仙台育英野球部』でも、『仙台育英』でも、『高校野球界』でもない、『地域』という視野で存在意義を考えているように見受けられます。
この本の中でも「東北」「地域」という言葉もよく出てきていましたし、優勝後には選手たちに
「この優勝によって得たこと感じたことを、周囲の人たちに還元してほしい。」
「お世話になった少年野球に顔を出して、・・・と子どもたちに伝えるのも、君たちができる還元方法のひとつだよ」
と語ったそうです。
さすがに仙台育英ともなると県外からの入学者もいますが、仙台が第二の故郷になるとして、震災の話もするそうです。
全体的に徹底していることも「落ちていく」と常に気を引き締めている点も印象的でした。
文化をつくるには長い時間が必要ですが、緩くなるのは簡単です。
はじめに書きましたが、慶應よりこちらの方が好きなのは、自分のバックグラウンドにも、性にも合っているのでしょう。
ちなみに、仙台育英・須江監督は同じ年、慶應・森林監督は私の10歳くらい上でした。もしかしたら世代もあるのかもしれません(私は、森林監督は須江監督より年下かと思っていましたが)
「誰のために」が広いからこそ、人の心をつかむのかもしれません。
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