今年の1月に癌でなくなった森永さん、
このブログでも「ザイム真理教」という面白い本を紹介したことがあります。
彼が亡くなる前に書いた原稿と、彼へのインタビューの中から
彼の死後に作られた、森永さん最後(じゃないかもしれない?)の1冊です。
さらば!グローバル資本主義
「東京一極集中経済」からの決別
森永 卓郎 (著), 神山 典士 (著)
・鉄道網に必要な持続可能性
森永さんの考えは、ガソリン価格を下げることより公共交通に財源を向けるべき。
運転できない高校生や高齢者にとって公共交通は生活の支えであるから。
高校生の生活の支えが「親の自動車の運転」では、高校生は地元の生活への不安が募り、
大学進学と共に都会に出て地元に帰る気にならない(私のことか!)。
これでは地方分散型社会が遠のく。
・都会からトカイナカへ。「下り列車」に乗る楽しさを知ってほしい。
永森さんのトカイナカハウスは、ゲストハウスとして国内外のお客様を迎え
いろいろなイベントを催している。
そのひとつが、里山の魅力を都会の子ども達に体験してもらうこと。
合宿の最後には子ども達は「楽しかった」と里山のファンになる。
10代のころに楽しい里山の記憶を残して、
将来はトカイナカの「関係人口」になってほしい。
機会があれば移住二拠点生活を楽しんでほしい。
・アートに必要なのは、自分の「好き」と「嫌い」をはっきりさせること。
現代の日本で葛飾北斎は生まれない。
自分が好きではないことに関わってもアートは生まれない。
重要なのは「好き」と「嫌い」をはっきりさせること。
現在の都市生活は、好きと嫌いのスイッチを「オフ」にしている。
満員電車に乗れるのも、オフィスにこもり続けられるのも
スイッチを「オフ」にしているから。
こうして想像力を削ぐ生活をしなければ、
グローバル資本主義に毒された都市生活を続けられない。
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ブルシット・ジョブから逃れて「真の労働の悦び」を取り戻そう。
自分で生き方を選択できる「トカイナカ」で生きよう。
という本。
彼のいう「トカイナカ」に該当するかはわかりませんが、
都会でも田舎でもないところで住んでいるものの
土に触ることもなく、
雇われているわけでもないのにブルシット・ジョブもそれなりにある私。
彼の提唱する生き方に憧れを抱きつつ、
まだ若いうえに子育てに区切りがついて働き盛りでもあるので
その生き方を完全に望むわけでもなく、、、
しかし、やはり森永さん、面白いことがたくさん書かれていました。
経営者さんと関わる者として
ビジネス系、組織論系、経営論系・・・に留まらず、小説、学術系まで。
『雑食読書』の鈴木が毎週1冊本をご紹介いたします。