今週の【読んだ本シリーズ】はコチラ。
なかなかにセンセーショナルな題名ですが、思い当たることがある方も多いのでは?
ブルシット・ジョブの謎
クソどうでもいい仕事はなぜ増えるか
酒井隆史・著
ブルシット・ジョブ
この言葉自体は初めて聞きましたが、実に身の回りにあふれまくっているものです。
必要のない穴をひたすら掘っては埋めるとか、提出後すぐに保管されて誰にも見られることのない書類をひたすら作るとか・・・
意味のない仕事のことです。
この仕事が世の中に意味のある貢献をしているか。
と考えれば、それが「ブルシット・ジョブ」かどうかがわかると思います。
無駄に増えるペーパーワーク、チェックのためのチェック・・・
「職業」というくくりで見なくても、一部の作業を抜き出してみると「ブルシット・ジョブ」にあたるものって多いのでは。
「仕事のための仕事」をわざわざ作っているようにしか思えない場面に遭遇することってよくありますよね。
本著ではいくつかに分けて説明がなされていますが・・・笑えますよ!ここに書かれているバカらしい話が実際に身の回りに存在するのですもの。
ブルシット・ジョブに
クソどうでもいい仕事
とルビがふられているのが、清々しいですね。
面白い話はいくつも出てきたのですが、ひとつとりあげるとしたら・・・
ブルシット・アーティストのお披露目会
のお話。
「ブルシット」という単語(スラングです)には、「ウソ」「あざむき」といったような意味があるそうです。
本著では
「ウソをつくこと」と「ブルシットすること」を区別することが肝心
と言っています。
「ウソをつく」とか「真実を言う」といったことには、そもそも「真理に対する配慮」があるのですが、
「ブルシットする」ことには、真理に対する配慮が(ほとんど)ないとしています。
「ブルシットする」とは、「ウソをつく」ではなく、「その場をうまく丸め込む」とか「論破したと見せかける」とか「自分を知的に見せる」とか、そういったニュアンスです。
先に挙げた「ブルシット・アーティストのお披露目会」。
よく目にしますよね。
私自身は自分で仕事をしている起業家なので、「仕事」というくくりで「ブルシット・ジョブ」に悩まされることは、少ないと思います(もちろん過去にお仕事した3つの組織ではありましたが、既に退職済み)。
「仕事」以外の活動で、「ブルシット・ジョブ」を正義の仮面をつけてドヤ顔で創り出して強要しようとする人間は目にします。
「それが目的に対して1ミリも意味をなさないこと」を見抜いて、「従わない」という選択をとることもできるのですが(私はね(笑))、「拒否することが大変」と従う人がいるから、給与が発生しないことでもそれが続いていくのでしょうね。
本書は、デヴィッド・グレーバー『ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論』の訳者による「講義」であり、『解決策』を提示するものではありませんが、
現代社会の風刺画のような本で、興味深い内容満載ですよ。
経営者、経営者さんと関わる者として
真面目なビジネス系、組織論系、経営論系
・・・に留まらず、小説、学術系まで。
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