前頭葉バカ社会・読んだ本シリーズ126

吹奏楽をやっている中3の娘の夏が終わってしまいました。

県大会進出ならずではありますが、

自ら努力する系の部活クラブに入らない子も増えている中(そして入れたがらない保護者はやっぱり多い)

自ら「入りたい」と言って、自宅でも曲に向き合い努力してきた娘を誇りに思います。

私も吹奏楽をやってきましたが、幼いころからピアノをやらせてもらってきた私と比べると

ピアノもやらせてあげてこなかった娘の努力と成長は大きなものだったと思います。

さて、月曜は読んだ本シリーズです。

「なんで日本はこうなったんだ?」の違和感にアプローチする本。

そして我が身を振り返らせられる本です。

前頭葉バカ社会

自分がバカだと気づかない人たち

和田秀樹 (著)

1,前頭葉の働き、前頭葉バカとは

前頭葉は、変化に対応するための重要な役割を果たしている。

前頭葉の働きが良い人は変化に柔軟に対応できるが、

前頭葉の働きが悪い人は変化を避けるようになる。→前例踏襲

前頭葉は、出力系(記憶や情報を引っ張り出す)に使われる。

知能には関与しておらず、日常会話や仕事で前頭葉を使わずに生きていける。

環境が変わったときに前頭葉が動く。

前頭葉の老化は40代から目立ち始める。

これは、記憶を司る海馬よりも早い。

日本人が変われないのは、前頭葉をうまく使えない人(=前頭葉バカ)が増えたから。

誰もが前頭葉バカになりうる。

2,前頭葉バカの要因・教育

前頭葉バカが増えた要因のひとつが高等教育の貧困。

子どものうちは詰め込み学習でよい。

大学で教授が面接する際に、教授のいうことを聞きそうな学生を選ぶのが問題。

アメリカでは、プロの面接官が、教授の意見に異を唱え、斬新な考えを提案できるような人材を評価する。

「わからない」ことがバカなのではなく、自分がわかっていないことを認められない人が前頭葉バカ。

日本のアカデミズムの現場には、

「世の中は常に変わり続ける。

 10年前に正しいとされていた学説が今も正しいとは限らない」

ということすら考えられない人が大勢いる。

スティーブ・ジョブズのように、

常識に対して他の可能性を想定し、どちらが正しいかを選択する余地を常に自分の中に持っていること

が大切。

3,前頭葉バカの治し方、予防の仕方

①変化を楽しむ。

いつもと違う店に行く、いつもと違うものを買う程度からでOK。

②自己モニターをする。

感情的な推論を避け、単純な一般化をしていないか意識。

常に「今の自分は前頭葉バカになっていないか」チェックする。

③アウトプットする習慣をつける。

おしゃべりでOK。

さらに上を目指すには、アウトプットした言葉を実際に行動に移す。

④より現実的な議論の仕方を身につける。

議論の目的は、相手の言い分を理解し、物事を複眼的に見ること。

言い負かすことではない。

あえて自分の嫌いなものを褒めるなどの練習も。

⑤ただ動く。

筋トレなどでなく、ショッピングや友だちとの食事でもOK。

行動が変われば心も変わる。

冒頭の「前頭葉バカチェックリスト」でほとんど「〇」がつかなかったので、

「ほら、だから日本はダメなんだよ」

と他人事として読むつもりで読み始めたのに、

読み進めていくと自分を振り返ることが多々(笑)

うっかり前頭葉バカにならないように気をつけようとページを進めました。

ネガティブがネガティブを芋づる式に引っ張ってきてしまう私には

「落ち込んだときは反省しない」とキッパリ決めること

(必要なのは反省でなく多様な視点だから)

というアドバイスも有益でした。

経営者さんと関わる者として

真面目なビジネス系、組織論系、経営論系・・・に留まらず、小説、学術系まで。

『雑食読書』の鈴木が毎週1冊本をご紹介いたします。

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