年末と年度末は役所が一生懸命動いてくれるので
今週は集中力高く過ごしたいところ。
さて、今週も月曜は『読んだ本シリーズ』です。
中学生に教えるような本は基本的に好きで(中学生を育てているのと、自分にとってもわかりやすいので)、これまでも中学生くらいから読めるような本をこちらでもいくつかピックアップしています。
今回もとても簡単(でも深い!)本でした。
【読者が選ぶビジネス書グランプリ2024 総合グランプリ第1位】とのことです。
きみのお金は誰のため
ボスが教えてくれた「お金の謎」と「社会のしくみ」
田内 学 (著)
1,お金自体には価値がない。
地租改正で税をお金で支払わなければならなくなったことでお金に価値ができた。流通した。
お金は個人にとっては価値があるが、全体では価値がない。
同じお金を使う中では価値があるが、その外では価値がない。
働いてくれる人(問題解決してくれる人)がいるから、お金に価値がある。
無人島にお金を持っていっても意味はない。
50年前にお金が1兆円あってもスマホは買えなかった。
お金は働いてくれる人の間をぐるぐる回っているだけ。
2,お金の格差と暮らしの格差
昔は、庶民とお金もちは違う生活をしていた。
現代では、庶民でもお金もちでも、同じようにスマホや検索エンジンを使っている。
生活の格差は縮まっている。
スマホや検索エンジンを開発した会社の創業者が世界の大金持ち。
そして生活格差を縮めてくれたのが彼ら。
情報技術にお金が流れたから今の生活になっている。
3,「僕たち」の範囲を広げる
「僕たち」と思える範囲を家庭や会社・学校だけでなく、同じ国や世界と捉える。
現在だけでなく、過去や未来の人も「僕たち」の範囲にする。
「未来を守る」という同じ目的を共有することで、「僕たち」の範囲が広がる。
人を愛する。
他者を愛することを知ると、他者がどう感じるのか考えるようになる。
愛する人はいつも自分のそばにいるわけではない。
離れて暮らすかもしれないし、自分が先に死ぬかもしれない。
そうすると、社会が良いものであってほしいと考えるようになる。
社会が他人事でなくなる。
「僕たち」が広がる。
中学生が読むような簡単な本ですが、学校では習わないようなアプローチで社会を説明してくれる、かつとても良い話でした。
3点目は、中学生にはわからないと思うけれど、私は娘ができてそうなりました。
娘は私の手を離れるし、私は娘より早く死ぬだろうし、
娘は娘に関わる人々によって形作られていく。
だから、娘の周りにいる人、娘の生きる世界が良いものだといいなと考えるようになったので、
本当に人を愛することが「僕たち」を広げることになると、共感しました。
経営者さんと関わる者として
真面目なビジネス系、組織論系、経営論系・・・に留まらず、小説、学術系まで。
『雑食読書』の鈴木が毎週1冊本をご紹介いたします。