夏帆・読んだ本シリーズ231

毎週月曜は『読んだ本シリーズ』。

毎週1冊、読んだ本を取り上げて備忘録3点を記録しています。

今週の本は村上春樹の最新作。

夏帆

―The Tale of KAHO―

村上春樹 (著)


四半期世紀前、高校の国語(現代文)の教科書で

「レキシントンの幽霊」を読んでから春樹好きの私。

最近の作品(長編)は、ファンタジー感が強くて苦手意識を抱くことも多々。

それでもやはり、春樹の独特の言い回しやオシャレな空間描写や美味しそうな食べ物描写が好きで、

春樹の新作が出れば、買って読みたくなるものなのです。

今回の「夏帆」は、春樹にしては珍しく女性を主人公とした作品で、

母との心理的距離を題材にした物語です。

私自身も女性であり、私にも母がいて、物語と似たような部分もあるからこそ、

(春樹の作品は紙の本で読む)

「残りのページ数が少ないが大丈夫かしら?」と感じながら読み進め、

最終的に「あれ?もう終わり?」となってしまいました。

(解決を決意するプロセスや解決の方法など)

長年春樹作品を読んできた私としては、「春樹が春樹である‘しるし’」と言える

春樹独特の言い回しが少なかったのが残念でした。

ストーリーよりも春樹の表現を舐めるように読むのが好きなのに。

自己啓発本ではなく小説に対して「備忘録3点」というのもおかしなものですが、

例のごとく「備忘録3点」は記しておこうと思います。


・体験した出来事や思いが、その人自身の顔をつくり上げる

主人公の夏帆が書いた絵本の話(要するに、「物語の中の物語」)。

顔をなくした少女が、「とりあえずの顔」を貼りつけて旅をしているうちに

その「とりあえずの顔」が彼女自身の「本当の顔」になっていた。

体験してきた出来事や、思いが、彼女の顔を作り上げた。

余談だが、少女がこれに気づくとき、

「君みたいな素敵な顔をした女性に会ったのは初めてだよ」

と言われており、これを書いたことで

この物語を書いた主人公が初対面の男性に

「君みたいな醜い顔は初めて」

と言われたときの気持ちを昇華させているのだと(私は)思う。


・あなた自身の世界の物語であるから、必然的にあなたがその世界の中心となる

主人公の身に問題が降りかかったときに、主人公が

「なぜそんなことが?どんな意味が?」

と聞いた際の返答。

なぜ相手がそんなことをするのか、

相手にとってその行為にどんな意味があるのか

その答えが

「なぜならば、これはあなた自身の世界の物語であるからです」

「ですからあなたが必然的にその世界の中心となります。

 そして善なるものも悪しきものも、善でも悪でもないものも、

 等しくあなたのもとに押し寄せてきます」

であった。

どことなく仏教っぽい概念であるように感じる。

何か自分にとって不都合なことが起こったときに思い出したい言葉。


・「和解」の余地などなく、あるのは「距離感」

私自身も(当たり前ではあるが)生まれたときから「母の娘」として生きてきたので

ここに書かれている主人公である女性が母親に対して抱く気持ちには共感する。

はっきりとした衝突があったわけではないので「和解」というのは適切な言葉ではなく、母娘の間にあるのは「曖昧な距離感」である。

日常生活を送っている人が引力の存在を意識しないように

自分が母親から心理的圧迫を受けているとは気づきもしなかった。

親から離れて暮らすようになって「ほっとした」。

そして、その「ほっとした」自分に対して罪悪感に近いものを抱くことになった。


■お盆期間の営業について

本年度の夏季休業について、担当者および事務の休業日をお知らせいたします。

①代表・鈴木の休み:8月10日(月)~12日(水)

②事務の休み:8月13日(木)~16日(日)

なお、休業期間中の連絡先につきましては、以下のとおりお願い申し上げます。

①8月10日(月)~12日(水):事務所宛てにお電話ください。

②8月13日(木)~16日(日):鈴木の携帯電話宛てにご連絡をお願いいたします。

※ご依頼中の案件がある会社様には、進捗状況と鈴木の携帯をお知らせしております。

※初めての会社様は、この間はメールでのお問い合わせをお願いいたします。

ご不便をおかけいたしますが、何卒ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。

読んだ本シリーズ

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