月曜なので「読んだ本シリーズ」です。
最近、養老孟子さんがお気に入り。
「世間とズレちゃうのはしょうがない」
「超・老人の壁」
に続き、3冊目です。
しかもこれまた最近私が注目している
「ケーキの切れない非行少年たち」
「どうしても頑張れない人たち」
の宮口先生(医療少年院の先生)との対談が入っているのです。
今回も楽しく、そして興味深く、サクサク読みました。
子どもが心配
人として大事な三つの力
養老 孟司 (著)
1,最近もてはやされている「褒める教育」「多様性」への疑問
これまでに読んできた本でも記されていますが、本当に本当に共感!
「褒める教育」がもてはやされているが、子どもが困っていること(できないこと)とは関係のないところを褒めても、それは問題の先送りでしかない。
もしかしたら、子どもの成長の機会を奪っているかもしれない。
子どもが困っていること(できるようになりたいと思っていること)をできるようにしてあげることの方が重要。
また、躾(しつけ)的なことや、「みんなと同じことができるように」という教育が「悪」とされがちな現代。
そもそも本人は「みんなと同じことができるようになりたい」と思っているのであれば、「他の人と違っていいんだよ」と言うのではなく、やはり(先ほどの繰り返しになりますが)できるようにしてあげるのが教育であってほしい。
「多様性」はみんなと同じになる大前提のうえに乗っかっているものであり、最近の安易な「多様性」という言葉には反対。
2,ネットの過剰利用と実体験から学ぶもの
ネットの過剰利用による弊害として「無言化」「孤立化」「実体験の減少」をあげている。
しかも、コミュニケーションがとれていると「錯覚」してしまうのがネットである。
子ども自身の本気度、それを体験させようという大人の本気度によって実体験の質は大きく変わる。
子どもの環境を整えてばかりでなく、多少ストレスを与えて、子ども自身がそれを乗り越える実体験をすることで子どもが成長する。
人間関係に関わる様々な実体験をもとに、「自分がこうしたら相手はこう感じる」といった学習ができる。
すると、初めてのことや困難に直面したときでも、想像力を働かせることができる。
3,自分の頭で考える子を
自由学園の学園長との対談から。
自由学園の学校生活、寮生活では、必要なもの、ルールをも子ども達でつくっている。
食事も椅子も建物も服も子ども達がつくるというから驚き。
コロナ禍で保護者の参観を可能にするために、子ども達が実証実験をして参観のルールを定めてイベント運営をしたのは、もはやコロナ禍の世の多くの大人以上。
なんでも自分たちで考えて自分たちでやることによって、
自分たちの快適な生活は、誰かの陰の働きがあって成り立っていることを知る。
そして、他の人の生活がもっと快適になるためにと考え、動けるようになる。
「お金を出してやってもらえばいい」ではなく、「自分のことは自分でやる・できる」人というのが、本当の意味で生活の土台がわかっている人として社会をつくる人になることが必要。
という話を読んで、恵まれた身の上の政治家たちが実生活に合わない施策を作っているのが頭によぎり、「生活の土台がわかっている人が社会をつくる」に妙に納得。
既に知っていた養老氏、宮口氏以外の方の話もとても興味深く読みました。
自分の頭で考える子、自分で解決しようとする子を育てる日本になりますように。
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