たまたま目に入って、「面白そう!」と、忙しいのも忘れて申し込んだ講演会が、
岐阜県行政書士会・岐阜支部が主催する教養講演会
大河ドラマ8作品で時代考証を努める小和田哲夫氏による
「信長・秀吉・家康に学ぶ経営戦略」。
3英傑の戦略の話もさることながら、NHKの時代考証の話がとっても面白いものでした。
こんな素敵な企画をしてくれた(そして別の支部所属の行政書士も参加できるようにしてくれた)岐阜支部の担当者さんに感謝。
面白かったので、小和田氏の本を調べてその日のうちに何冊か買ってしまいました。
・・・ということで、今週の【読んだ本シリーズ】はコチラ
戦国 忠義と裏切りの作法
小和田 哲男 (著)
「忠義と裏切りの作法」とタイトルがついているものの、中身はイラストが多く掲載されており、戦国の時代人々の生活の様子や作法、雑学を知ることができる(・・・というか、忠義と裏切りの話より雑学が面白い)本です。
1,金山衆を城攻めに使う
金山で金の採掘を行っていた「金山衆」は、鉱山技術をかわれて戦場に出ることもあった。
彼らは、穴を掘る技術、爆弾を仕掛けて破壊する技術、地下水を枯らせて水脈を断つ技術など、城を落とすのに使える技術をもっていた。
金山衆を使った城攻めは武田信玄の十八番ともされている。
ちなみに、有名な「信玄堤」も金山開発の技術から生まれたと言われているそう。
2,海賊を水軍として使う
水軍をもつ方法は2つ。
ひとつは、家臣たちに訓練をさせて自前の水軍をもつ方法(武田水軍)。
もうひとつは、海賊を自軍に引き入れる方法(村上水軍)。
自前の水軍は、忠誠心は高いが、訓練に莫大なコストがかかる。
海賊を使う場合は、忠誠心は低いが、潮流の変化を熟知し、操舵技術に優れている。
大名は海賊を戦いに利用し、海賊は通行料の徴収にお墨付きをもらうという関係。
3,武士以外にも多種多様なブレーンをもつ
例えば、徳川家康の場合、
僧侶や儒学者を宗教政策や内政についての、商人を経済政策の、大工頭を土木政策の、外国人航海士を外交政策の参謀としていた。
天下統一後に主君の言葉に従う側近ばかりになって、その後失策が多かったこと秀吉を見てきた家康だからこそ、多種多様なブレーンを活用したのかもしれない。
この3点から、実績をあげている人物が、「生まれや職業(当時は1番のフィルターだったはずの身分)」に拘らず、使える知識・技術があれば使っていたこと、自分の周りにおいていたことがうかがえます。
武士が甘い良い香りを漂わせていたことや、出勤しても14時には仕事が終わる超ホワイト企業だったこと等、いろいろと面白いネタが満載でした。
余談ですが・・・
金曜の小和田氏の講演会では、行政書士会の講演会ということで、「行政書士って、この時代の『ゆうひつ』では」という話がありました。
何度か出てきた「ゆうひつ」という言葉が私にはわからず(「代書屋」であるだろうとは理解したのですが)、「文字を書ける人」という意味で「有筆」かと思っていたのですが、「右筆(ゆうひつ)」でした。
この本にも出てきました。
経営者、経営者さんと関わる者として
真面目なビジネス系、組織論系、経営論系
・・・に留まらず、小説、学術系まで。
『雑食読書』の鈴木が毎週1冊本をご紹介いたします。
岐阜・愛知・三重・静岡で緑ナンバー(一般貨物)
の許可を取るならエール行政書士事務所にお任せください。
行政書士は『どこも一緒』ではありません。
運送業は運送業の専門家へ。