令和7年6月25日
国交省が日本郵便の一般貨物自動車運送事業許可を取り消しました。
※取り消しの文書を渡した日がこの日であって、取り消し自体は既に決まっていました。
日本郵便の運送業許可取り消しが決まってニュースに流れ始めたころ
気になったのが
5年間、2500台のトラックが使えなくなる
という報道のされ方だったこと。
「許可取り消し」は、運送業(一般貨物自動車運送事業)の許可がなくなる
運送業の処分の中で最も重いものです。
もう少し軽いものに、「事業停止」という処分があり、
これは、停止期間中は一般貨物自動車運送事業ができない
(その後はできる)というものです。
さらに軽い処分(そして業者さんにとっては最もメジャーなもの)として
「〇日車(正確には「輸送施設の使用禁止」)」といって
指定された期間中(日付と台数)車両が使えないというものです。
(運送業界の方が言う「ナンバーとられちゃった」はこれ)
日本郵便が受けるのは「許可取り消し」なのに
「5年間、2500台のトラックが使えなくなる」
という言葉で報道されたせいで、
「停止期間が終わればまた運送業ができる」
「車両の使用を停止された日付と台数が2500台×1825日」
かのようにも感じられますが、
運送業(一般貨物自動車運送事業)の許可がなくなるのです。
許可がなくなったので、運送業(一般貨物自動車運送事業)をやるには
再度運送業(一般貨物自動車運送事業)の許可をとらなくてはなりませんが、
運送業のルールで、
「許可取り消しになった場合、その日から5年間は許可を取得できない」
と決まっています。
もちろん、5年後に郵便局が許可申請をしても
許可の条件を満たしていなければ許可はとれませんので、
今の時点で「5年後にはまた元通りに運送業(一般貨物自動車運送事業)許可事業者に戻れる」というわけではありません。
例えば、
「運行管理者さんが全員ヤマトさんや佐川さんに転職してしまって運行管理者がいません」
「必要な車両、資金が準備できません」
となれば、もちろん許可はとれません。
ちなみに、日本郵便は、
今回許可が取り消された「一般貨物自動車運送事業」のほかに
「軽貨物(貨物軽自動車運送事業)」も行っています。
※大きなトラックではなく軽バンなど黒いナンバープレートがついた車で物を運ぶ運送業
実はこちらの軽貨物は、許可ではなく登録が済めば開業できるもので、
「こういった人・会社は許可がとれません(「欠格要件」と言います)」
が、厳密に決まっているわけではないので、
日本郵便側が廃業しなければ、このまま営業できてしまいます。
国土交通省から是正命令を受けたようですが、軽貨物の事業は続けていけるのです。
日本郵便は、さらにほかに
「第二種貨物利用運送事業」も行っています。
※他社の運送を利用する「利用運送」の中で、トラックと合わせて「電車・飛行機・船など」を利用して物を運ぶ運送業
今回、第二種利用運送については
(自社のトラックを利用していた部分については一般貨物自動車運送事業の許可取り消しによりできなくなったので)、
一部停止命令が出たようです。
(その期間が「2025年6月25日から同年12月21日までの180日間」なのはとちょっと不思議。1月になったらまた出すのかしら。)
第二種利用運送事業は、
「こういった人・会社は許可がとれません(「欠格要件」と言います)」
が決まっており、
その中に
「第二種・第一種貨物利用運送事業の許可・登録を取り消され、その日から2年を経過していないと、新たに許可が取れない」
があります。
今回「取り消し」ではなく「一部停止」で済んだので今のところ気にしなくてよいですが、
取り消しだった場合は、利用運送も少なくとも2年間できないところでした。
今回の一般貨物自動車運送事業許可取り消しをうけて、日本郵便は
他社に委託することと軽バンでどうにかしていく
としていますが、利用運送が「取り消し」だっが場合は、
その「他社に委託」ができないということです。
国交省が利用運送を取り消さずに「一部停止」にしたので
崩壊せずなんとかとどまることができたわけですね。
(まだわかりませんが・・・)
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