運転を避けて電車移動をしている際に、行きで1冊読み終わったので駅ビルの本屋さんへ。
普段本はネットで買うので本が並んでいる中から本を選ぶことは少ないのですが、目にとまった1冊を帰りの電車用に購入。
1秒で答えをつくる力
お笑い芸人が学ぶ「切り返し」のプロになる48の技術
本多 正識 (著)
漫才作家でNSC講師の本田正識さんによる「芸人さんのように頭の回転が速くなるためのレッスン」です。
1,興味のないものから思考のネタを見つける
頭の回転の速さはほとんどの場合、情報量に比例する。
回転が速くても引き出しに情報が入っていなければ何も出せないので。
興味のなかったことのなかにこそ、これまでの自分にはなかった考え方や知識が落ちているもの。
興味のない分野のニュースを意識して読む(例えば興味のあるニュースの前後のニュースを読む等)。
2,プロデューサー目線で自分を見る
「俯瞰の視点」は場の空気を把握するために欠かせない。
会場全体を見渡したプロデューサー目線で芸を披露する。
自分が話すことに精一杯にならずに、聞いている人の反応やその反応への対処、自分の姿勢などを考える。
トップクラスの師匠ともなると、客席だけでなく、舞台袖や出入口付近のスタッフの様子まで気になるそう。
3,「なくても意味が通じる内容」と「なくても意味が通じる言葉」を削って、言葉は少しでも短くする
話す言葉は一文字でも少ない方が、聞き手の反応も速く返ってくる。
「M―1グランプリ」の優勝者は、「つかみ」を含む最初のボケまでは平均して6秒とのこと。
ダラダラ話すのもダメ、結論だけ話すのではこちらの意図がうまく伝わらない、自分の考えていることを短く正確に伝える。
伝えることはそのままに、削れる言葉は削れるだけ削る。
矢野・兵藤の兵藤さんのトークは無駄がない。
すべて書き出して原稿をつくり、そこからなくても意味の通じる言葉を削るそう。
「てにをは」などの一文字一文字すら吟味して削っていく。
長年この地道な作業をし続けて、瞬時に必要な言葉だけで話を組み立てられるようになったとのこと。
実際に売れている芸人さんの話も出しながらの展開は、読んでいて楽しいものでした。
最後の特別レッスンとして著者の経歴が紹介されており、驚くと共に心をうつものでした。
そして巻末に紹介されている「NSC心得」はどの世界にいても大切にしなくてはならないことがたくさん。
レッスンの途中で挟まれる「休み時間」としての読み物も面白く、その中でもキングコング西野さんの「9対1の理論」はこの先ずっと覚えておきたいお話。
まだ20代前半のころ、ネットで炎上した際に、
「アンチが9割ちゃいますかね。それでもいいんです」
と言った彼の理論は
「アンチが9割。9人:1人、90人:10人、900人:100人ではアンチが目に付くけれど、90万:10万になったら、アンチだけで東京ドームで2回イベントができる」
48のレッスンだけでなく、最初から最後まで勉強になる面白い本を選ぶことができました。
本屋さんで本を選ぶのもいいものですね。
経営者、経営者さんと関わる者として
真面目なビジネス系、組織論系、経営論系
・・・に留まらず、小説、学術系まで。
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