月曜なので『読んだ本シリーズ』です。
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人を育てる期待のかけ方
中竹竜二・著
著者は元・早稲田大学ラグビー蹴球部の監督。
あの有名な清宮監督(五郎丸がいたころです。ちなみに私が早大応援部現役のころ)の後任で早大ラグビー蹴球部の監督になった方。
前提として、実際に行動するのは「他者」であることを意識する。
勝手に自分の思い込みを押し付けてはいけませんよね。
自分の期待と相手の「こうなりたい」が合っていなければ行動につながりませんし、
期待の内容が具体的に共有できていなくては目標に向けた正しい行動につながりません。
期待をV(ビジョン)、S(ストーリー)、S(シナリオ)で考える。
ゴールであるビジョンは、ワクワクできることが重要。
ストーリーは、ゴールに至る道のりです。
私ははじめ、ストーリーとシナリオは似たようなものかと思いましたが、シナリオはもっと落とし込んだもののことです。
自分が何を言うべきか、どんなミーティングをすべきか等という部分。
そこまで考えておくそうです。
本の後半でカリスマ監督である清宮監督の後任であることの苦悩が、「他人から自分への期待」と「自分から自分への期待」として語られていました。
選手たちの自分に対する期待(清宮監督みたいに指導してほしい)を満足させること、「いい監督」と言われることがゴールではなく、チームを優勝させることがゴールであると気づいたことで、
自分のスタイルを見極め、自分らしいVSSを描くことができたとのこと。
私もついつい周りからの期待に応えようとしてしまうのですが、自分のやりたいことと違うこと(でもそこに時間と労力を使ってしまうこと)って多いものですよね。
期待に応えないと決める
著者が言うように、これができるようになるとゴールがぐっと近くなるのかも。
本の後半で出てきた「一流選手の二流化の話」は、とても好きなお話。
一流選手に対して、日本人らしく謙虚を期待して謙虚を押し付けた(もしくは自ら謙虚になった)とき、一流さも封印されて二流になってしまうという話です。
一流の選手が臆せずモノをはっきりいうのは、自分のスタイルに忠実でゴールにこだわりをもっているから。
どんな相手にも言いたいことをはっきり言うタイプは、少なくとも人の意見は自分の耳に一度入れてそれに納得がいくかどうか咀嚼していて、自分が間違っていたと理解すれば修正する。
謙虚でないという批判で逸材をつぶすような社会通念を変えていくべきだ。
・・・と。
そうやって選手のことを見てくれる監督で、選手たちは幸せでしたね。
日本では(ましてや学生スポーツで)あまりそう見てもらえないので。
でもこれ、本当のことだと思います。
いろいろと言われているうちに、「あの人にこう言われるのでは」が気になってしまって、本来のパフォーマンスが発揮されなくなってしまう。
「いろいろと言われる」から守れる人がいたらいいのに。
具体例としてあがるのは早大ラグビー蹴球部の監督時代の話ですが、仕事でも子育てでも、なんでも一緒です。
今、自分が導く対象がいなかったとしても、自分に対する期待の話は使えると思いますよ。