書いたのは心療内科の医師。
他人の価値観やルール、他人の感情、他人に奪われる時間を手放し、
自分の価値観やルール、自分の感情、自分の時間を発見して取り戻すための本です。
NOを言える人になる
他人のルールに縛られず、自分のルールで生きる方法
鈴木裕介 (著)
1,好ましい人間関係はフェアで穏やか
もはや他人のルールや価値観に適応しすぎて自分が無理をしすぎていること、自分がNOを言えていないことにも気づかないことは多い。
好ましい人間関係は公平(フェア)で穏やかなもの。
価値観や考え方を一方的に押し付けられることもなく、ミスや欠点を過剰に責められることもなく、片方だけが損をするようなこともない。
逆に、好ましくない人間関係は、
他人のルールで私を縛り付け、私の価値を勝手にジャッジして、私の時間やエネルギーを奪い続ける関係。
人間関係を見直すことが必要だ。
2,世界は、「自分が責任をもって守るべき領域」と「他人が責任をもって守るべき領域」の二つに分けられる。
自分と他人の間の境界線を意識し、守ること。
世界は「自分が責任をもって守るべき領域」と「他人が責任をもって守る領域」に分けられる。
どれだけ親しい間柄であっても同じ。
そこに立ち入ったり、立ち入らせてはならない。
人が嫌がることをやったり、自分を後回しにしてまで他人のために尽くしたりすること、
自分で責任を背負い込んだりするのは、一見良い人のようだが、
自分の領域を守れていない、あるいは他人の領域を背負っているということ。
自分と他人の間の境界線があいまいだったり、正しく機能していないのだ。
この境界線について、ラインオーバーされやすい人は、ラインオーバーしやすい人。
3,自分の快・不快に注目して他人からのラインオーバーに敏感になる
慣れすぎていて自分がラインオーバーをされていることに気づけない場合は、自分の「快・不快」に注目するとよい。
私が何らかのネガティブな感情を抱いたという事実は、私の領域の中では絶対的に正しいことであり、他の誰にも侵されない「真実」だ。
仮に自分に非があったとしても、自分が相手より弱い立場だったとしても「言われても仕方ない」と相手の不快な言動まで受け入れてはいけない。
自分の言い分をはっきり伝えることと、相手を不快にさせるような言動をとることはまったくの別問題。
相手の言動や相手との関係性に不快を感じたら、その段階でラインオーバーされている可能性を考える。
自分の感覚や気持ちに素直になり、ラインオーバーされていると感じたら、その事実を認める。
今まで気づかなかった、あるいは気づかないふりをしていた他人からのラインオーバーに敏感になると、
自分にとっていらないもの、自分が求めているものがわかりはじめ、
自分の境界線、守るべき自分の領域が明確になっていく。
自分のやること(仕事や自分のためのこと)が進まない。
なぜか私ばかり何かを頼まれる。
人のための対応ばかりして、時が過ぎる。
忙しい。体力も限界・・・
もともとそういったタイプではあるものの、「それが自分だ」と思っていました。
ところが、四十になって体力がなくなってからというもの、「無理」と感じることが増えてきて、そんなときに出会った本。
出てくる話は「私のことを書いた本だ」と思うほどでした。
経営者さんと関わる者として
真面目なビジネス系、組織論系、経営論系・・・に留まらず、小説、学術系まで。
『雑食読書』の鈴木が毎週1冊本をご紹介いたします。