なぜ最先端のクラウド企業は、日本一の社員食堂をつくったのか?・読んだ本シリーズ131

月曜は【読んだ本シリーズ】

先週に引き続き、帰省した姉が実家のリビングにおいていたものです。

多治見の花火大会実行委員会で、名古屋の株式会社エイチーム様(スマホゲームアプリやECサイトなどの会社)とのご縁をいただき、オフィスにお邪魔した際に、環境抜群のオフィス、公園のような憩いの場、カフェのような社食に驚きました。

たくさんの驚きがありましたが、中でも、女性社員さんが自然体で存在することに衝撃を受けました。

私はこれまで、女性が社会に存在するためには「黙ってニコニコ言うことを聞く」と「肩肘をはって強くいる」の二択しかないと、割と本気で思っていたので(私が社会に出たのは20年前の都市銀行総合職)、私としては本当に衝撃だったのです。

所属する商工会議所女性会で企業視察をさせていただく企画まで立ち上げてしまいました。

そして、「社員ひとりひとりを大切にするとこんな会社になるのか」とたくさんの学びをいただきました。

会社は異なりますが、業界も近く、オフィス環境や社員さんに対する考え方も似通っているかと、興味をもってページをめくってみました。

なぜ最先端のクラウド企業は、日本一の社員食堂をつくったのか?

牧田 幸弘 (著), いからし ひろき (著, 編集)

著者のひとりである牧田氏は、JBS(日本ビジネスシステムズ株式会社)というマイクロソフト系の情報インフラの会社です(門外漢なもので、この程度の説明でごめんなさい)。

1,部署にかかわらずすべての社員に資格を取得させる。

技術職に限らず、営業職やコーポレート職の社員を含めてすべての社員に技術系の資格を取得させる。

新入社員が現場に入る際、最も苦労するのは専門用語。

資格の勉強をとおして、少なくとも基本的な用語についての理解が得られるので、

その知識をもって現場に入ることができる。

現場に入ることのない職種であっても、自分たちが取り組んでいる領域についての知識は必要。

基本的な理解はもっておくべき。

現場に入らずとも、現場の人と話す機会はある。

知識があるかどうかで社内でのコミュニケーションの質は大きく変わる。

自分で勉強するという経験をとおして、研修の中でも主体的な取り組みを体験する。

2,呑める社食をつくる意義

「客先常駐」が多い業界。

会社に立ち寄ることが少ないと、

報告書に書かれることのない情報が入ってこなくなる。

顧客のニーズに関する情報を受け取れない。

仕事以外の食をとおした交流の場がないと、

活躍していても交流のあるメンバー以外に認識されない。

上司や先輩にフランクに相談する機会がない。

孤立する。

3,若手ファースト

社宅もパソコンも若手から。

若い人ほど吸収力が高い。

最新のパソコンをどんどん使って、どんどん仕事を覚えてほしい。

願望の良い部屋で、若いうちにたくさん感動してほしい。

感動は必ず仕事に良い影響を与える。

という牧田社長のお考え。

よくある

「費用対効果が計算できるならやろう」

という発想自体が問題とバッサリ。

費用対効果はすぐに表れるものでもないし、社員への投資はコストで計算できない価値がある。

「人的資本」などという単語でくくった今流行りの経営論ではなく、

社員ひとりひとりを大事にしたらどうなるか、

社員ひとりひとりが集まったものが会社であることを、

実績という説得力も添えて教えてくれる本でした。

経営者さんと関わる者として

真面目なビジネス系、組織論系、経営論系・・・に留まらず、小説、学術系まで。

『雑食読書』の鈴木が毎週1冊本をご紹介いたします。

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