娘の夏休みも後半戦。
苦手な国語をママがみっちり仕込もうと思います(国数英はまだ一応教えられるけれど、理科はもはや娘の方が上なので放置)。
さて、月曜は『読んだ本シリーズ』
ネットで見かけて気になっていた本です。
じっくり楽しみたかったので(電子ではなく)紙の本で購入しました。
世界は経営でできている
岩尾俊兵 (著)
1,目的に対して過大な手段になっていないか見直す
デキるビジネスパーソンとして、家事育児もやらなければならないと思い込んで、
睡眠時間を減らしてまで奔走する人。
(これめちゃくちゃ当てはまる!「デキるビジネスパーソンとして」ではなく「良い母」としてですが)。
娘と幸せに暮らすことが目的なら、家事をアウトソーシングして、娘との時間を捻出すればいいはず。
「自分は何をしたいのか」を考えること。
目的に対して現在の手段が適正かどうか点検しなければ、過大な手段を用いてしまうことになる。
2,価値創造が新の意味の仕事。それ以外に費やさない。
もう終わってしまったことを責めるだけの会議は無意味。
社員の誰かが顧客に対して起こしてしまったことを怒ったところで事態は好転しない。
社内の人間を集めて会議をしたところで、そこに顧客は不在なのだから、顧客の信頼回復にはならない。
「仕事という名前がついているだけの何か」を減らし、真の意味での創造的な仕事を増やすこと。
すると、世の中に提供できる付加価値が増加しつつ、仕事も楽しくなる。
3,社会制度には耐用年数がある。リーダーの選抜方法も変わるべき。
「国民がいきいきとして幸せになれる共同体をつくる」
という国家の目的を忘れると、一時期に権力を握った者も民心を失っていく。
弱体化した政権は、危機に対して無能ぶりをさらけ出す。
それは、世の中が変化し続けており、危機への適切な対処法も変化しているのに、
政権内で権力を得る人を選抜する方法が変わらないから。
幕末においても、黒船が来航に対処できたのは、
儒学・朱子学を極めた幕僚たちではなく教養から比較的自由だった下級武士たちだった。
全体的にウィットに富んだ痛快な語り口で、笑いながら読めますが、
笑えない悲劇(でも実際に世の中で起こっていること)がいっぱい。
『価値は有限』ではなく、『価値は創造するもの』。
だから奪い合う必要はない。
そう捉えられるようになれば、世の中のあれこれが解決しそうです。
経営者さんと関わる者として
真面目なビジネス系、組織論系、経営論系・・・に留まらず、小説、学術系まで。
『雑食読書』の鈴木が毎週1冊本をご紹介いたします。