日曜は日本青年会議所の用で京都に行っており、お寺で写経という貴重な体験をしてきました。
京都は何度も行っていますが、何度行ってもいいですね。
ただ、コロナがあけてからは混むのが難点ですが・・・
さて、月曜なので『読んだ本シリーズ』です。
今週の本はコチラ。
ルポ 誰が国語力を殺すのか
石井 光太 (著)
序章からショッキングな話で始まります。
小学校の国語の授業で「ごんぎつね」を読んだ子ども達が、私たち大人からすると「とんでもない」常識外れの発想をする子ども達の描写は、本を読む人の危機感を募らせます。
私が市の教育委員として市内の公立小中学校の授業を見ている中でこのような現場に出くわすことはないのですが、それでも人と接しているときにふと「あれ?この子には何も響かない?」「あれ?この人には自分の意見や感情はない?」と違和感を覚えることはあります。
過去にこちらでも紹介した「AI vs.教科書が読めない子どもたち」も興味深く読みましたが、今回はもっともっと刺激的な本でした。
切り込む部分は異なりますが、「ケーキの切れない非行少年」とも合わせて読んでいただきたいです。
1,子ども達のなかで言葉が失われている
語彙が少ない。
乱暴な言葉だけで会話をしている。
オノマトペで説明する。
そのような子ども達は・・・
物事をグラデーションで捉えることができない。
考えが深まらない。
相手のことを想像できない。
日常生活に結び付けられない。
常識から外れている。
2,言葉を失うとはどういうことか・言葉の力をもっているとはどういうことか
言葉を失った子は・・・
想像力、考える力、伝える力がない。
悪いことを悪いことと認識せず罪をおかし、被害を被っても被害とも思わず「言われたからやった」と言う(「おかしいな」と感じる力すらない)。
一方、適切な言葉の力をもっていれば・・・
感情や行動にブレーキをかけることができる。
語彙という名の燃料によって、情緒力、想像力、論理的思考力を用いて適切な方向に進むことができる。
感じる、想像する、考える、伝えるという力があることで、社会に出て多くの人と折り合いをつけて生きていける。
3,言葉を失わないためには
幼少期なら家庭で絵本の読み聞かせがあること、家庭で会話があること。
体験型学習で、関心を外に向かってひろげてあげること。
とにかく言葉で表現させる。取り組んだことや感想をノートに書かせる。
スピーチや思考ツールも有効。
教育委員として、市内の公立幼稚園や保育園をまわる中で、先生方が「言語化」に力を入れている園の子ども達は、泣きわめいて暴れる必要がないので落ち着いていると感じます。
国の教育施策を考える人たちは、恵まれた家庭で育っているので「言葉の力」など、放っておいても勝手につくものだとしか思えないのかもしれませんが、そういった家庭ばかりではありません。
また時代背景も影響してくるものだと思います。
せめてすべての子がアクセスできる公教育の中では、言葉の力を育んであげられますように。
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