伝える準備・読んだ本シリーズ82

 

土曜が祝日だったようですが、本日月曜は普通に役所が開庁してくれており、ありがたいことです(秋は3連休が多くて行政書士泣かせなんです)。

 

さて、今週の本はコチラ。

 

伝える準備

藤井貴彦・著

 

著者は、日テレのアナウンサー。

アナウンサーの「しゃべりかた(発音や強弱やスピード)」講座ではありません。

「言葉を扱うこと」に関する本です。

 

私も、日本語にこだわる方で(このブログを読んでいる人には「どこが?」とツッコミを受けそうですが)、後輩が書いた文章にものすごい量の赤ペンを入れます。

「そんな細かいこと」

「前年の文章そのまま使ったんですが(前はよかったのに)」

「亜紀子さん以外の人は、その日本語が正しいかどうかなんてわかんないんじゃないですか?」

と言われることもありますが、

「伝わり方」と「受け取った相手の印象」が違うと諭しています。

 

ふとした発言・発信から誤解が生まれ、その誤解から憎悪が生まれ・・・

そんなことを、この誰もが発信者たる現代社会では、よく見かけるのではないでしょうか。

ネット上の発信だけではありません、対面での話でも、発した言葉がきっかけですれ違いや憎悪が起こるものです。

逆に、伝え方次第で好転することだってあるでしょう。

だからこそ、『伝え方』を学び、訓練することは大いに意味があります。

 

この本では、

どんな言葉を、どんな風に使うかで、あなたの印象はつくられます。

発した言葉が、あなたをつくるのです。

と言っています。

 

 

1,言葉を選ぶ。相手に伝わる力をもつのがよい言葉

言葉はすぐに発しない。

メモをして寝かせてみることで、わかることがある。

言葉を選びなおさずに発するのと、言葉を選びなおしたうえで発するのとでは、結果が異なる。

言葉選びの評価は、「その言葉が相手に伝わる力をもったか」ではかる。

・・・この本では

言葉のかるた取りではなく、わらしべ長者がちょうどいい。

と、なんともお洒落な表現を使っています。

 

2,やることリストを作る

「したいこと」と「しなければならないこと」を分けると、それは「未来のこと」と「過去のこと」に分かれる

リストアップができたら「完了に必要な時間」を書き添える。

寝る前にこの作業を行うことによって、翌日の動きが変わる。

 

3,書き出すことで仕組みがわかる

著者はサッカーの実況中継が満足にできなかったことで、局にある実況中継のビデオを一言一句書き出した。

・・・極めて古いアプローチのようでいて、現代社会のIAと一緒ですね。

ものの成り立ちがわかってしまえば、後は努力するだけ。

「苦手」に対しても、「やる気が起きない」に対しても、書き出すことで前に進める。

 

4,5行日記をつける

毎日つけられなければ、メモだけ残しておき、1週間分まとめて書いてもいい。

とにかく、1日あたり5行の日記を続ける。

タイトルをつけることと、ひと手間かかった言葉をいることにこだわる。

(少ない文字数でどれだけ表現できるか、カラフルな言葉)

自分の精神のためにもなれば、言葉の訓練にもなる。本番の準備にもなる。

 

5,すべての反応に責任をもつ

自分の発した言葉に責任をもつというスタンスで言葉を扱う。

 

 

最後には、震災の取材の話があり、著者がどのようなスタンスで取材をして言葉を発しているか、それだけでなく取材した人の言葉をどう世間に発しているかなどもわかり、「言葉を扱うこと」に対する意識を改めて考え直すことができる本でした。

 

自分の言葉が自分をつくる。

自分の発した言葉に責任をもつ。

 

その姿勢を忘れずに過ごしたいです。

まずは5行日記からかな。

 

 

 
 

経営者、経営者さんと関わる者として
真面目なビジネス系、組織論系、経営論系
・・・に留まらず、小説、学術系まで。
『雑食読書』の鈴木が毎週1冊本をご紹介いたします。

 

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